経験を積んで言えることがある。
数々の現場の先に見えるものがある。
K.KANDA
建築部 - 1996年入社
※2017年のインタビュー
- 現在の役職と勤続年数をお教えください。
- 建築部の課長で、勤続21年です。
- その前は何をされていましたか?
- 18歳で仕事を始めました。以前は別の建設会社にいましたが、そこを辞めた後に信友建設に入社しました。建設の現場監督をしています。
- 現場監督とは?
- 説明するのが難しいのですが、一つの建物を作るのに全てのことを知っていなくてはならないので仕事内容が多岐にわたる総括的な仕事です。現場の管理、予算の管理、安全管理、品質管理、工程管理など、やることが多岐にわたります。
職人さんに指示をする楽で綺麗な仕事だと思われることもありますが、実際は手も汚しますし自分で色々なことをやります。一つの建物を造る上で最初から最後まで全てのことを把握して管理していくのが現場監督です。
- どのくらいの年数で一人で出来るようになりましたか?
- 個人差はあると思いますが、自分は5〜6年目の時に一人で現場を任されたので、一概には言えませんが2〜3年でできる仕事ではないと思います。2〜3年目に、現場のお金の管理から安全管理まで全て任せてあげられるほど簡単ではないので、早くても大体5〜6年はかかると思います。
- 1人前になるためのポイントはなんだと思いますか?
- 例えば現場を見ることに秀でている人がいれば、予算管理に秀でている人もいますし、工程管理に秀でている人や安全管理がしっかりできる人がいるように、個々で差があると思います。ただし何かが出来ないとか、不得意というのはよくないです。トータルでバランスの取れた能力を持って、一つの現場をしっかり終わらせられる力が必要だと思います。
- モノを建てることへの想いは何ですか?
- 若い頃は現場が一つ完成して、足場が取れて自分が造ったものが表に見えた時は「自分がやったんだ!」という気持ちになりました。完成した時の喜びと言いますか、自分が作ったものが出来上がっていくのは、やはりモノづくりをしている喜びではあります。でも今は完成したものをお渡しして、お客さまに喜んでもらえることが一番の喜びです。
- モノづくりにおいて注意するポイントは?
- 若い頃はいい建物ができてそれが喜びでもありましたが、やはり予算ありきでいい建物を作る、そして工程を守る。ここでもトータルのバランスだと思います。
建物を作っている立場なので、随所にいろいろなこだわりがあるのですが、そのこだわりは捨てたくないです。例えば、設計士さんにも考えがありますし、自分にも考えがあるので、その辺をうまく調整しながら進めるのですが、その「調整」をしながらいい状態で進めて行くというのが大事です。正直いうと100%というのは難しいですが、自分がこだわっているところを100%に近づけられるように意識して仕事をしています。
- いい建物とは?
- どうしても多くの人が携わりますし人間が作るものなので、同じ設計図でも本当に同じ形にはなかなかなりません。そうすると、どこまで細かく見て妥協しないで作りこめるか。それは多分、同じ建物を作るにしても監督が違うとパッと見は一緒ですが、細かいところや完成までの過程が違うので、きちんと気配りされた建物はやはり良いなと思います。
- 自分が監督したもの以外で、出来上がったものを見て、これはいい建物だなと思うことはありますか?
- 監督目線でいうと、完成した建物はそれがわかりづらいです。見えている部分だけの話になってしまうので。外壁のタイルが綺麗に貼れているとかその程度のことはわかりますが、中のおさまりの細かいところや過程を見ないとなんとも言えません。
- 今の立場になるまでに最も苦労したことは?
- 立場的にも肉体的にも精神的にも一番大変だったという現場は、現場監督をしている人間であれば必ず一つはあると思います。自分の場合、その時は仕事しかしていなかったので周りを見る余裕もなく、毎日仕事に追われている状態でした。そこに当時としては大きな現場が入り、それを乗り越えられるかどうかが自分にとっては大きなポイントで、その現場をやりきった時になにかを乗り越えた不思議な感じがしました。
今でも若い頃に経験したあの大変だった現場が終わっているのだから、今の現場が終わらせられないことはないって思うことがあります。
- それは何年目の時ですか?
- 10年過ぎたくらいの時です。任されたことによる重圧、工程を守るための重圧。建物は工期が決まっているので、それを守らなくてはなりません。自分がやらなくてはならない仕事はわかっているのですが、時間的にも能力的にも足りない。あの現場があったから今があると思います。
- どういう人材が向いていますか?
- 大雑把な人よりは細かい人の方がいいと思います。細かいことがわかっていて大雑把なのと、大雑把な人が大雑把なのでは違いますよね。与えられた仕事には責任が伴うので、最低限与えられたことをしっかり管理しなくてはなりません。それと真面目であることも重要だと思います。
- 真面目さとはどういう真面目さですか?
- 人それぞれだと思いますが、変な話、手を掛けたからといって良いものが出来るわけでもなくて、いい意味で手を抜けることが大事です。抜き方や攻め方のメリハリも人によって違うと思います。
どんな人?と言われると難しいですが、うまくバランスがとれる人だと思います。広い視野がないと追い詰められてしまいます。
- 組織として若い人を育てる上で気をつけていることは?また必要なことは?
- 若手とは年が離れているので考え方などいろいろ違います。ですが、器用不器用は抜きにして言われたことに対して一生懸命やる子は見てわかるので、そういう子は伸ばしてあげたいと思います。最初は無理でも徐々に成長してくれれば良いと思います。
- 若手を見る上で気にしている点は?
- 当たり前のことができるのが大事です。例えば挨拶に始まって、遅刻をしない、そして上下関係を理解すること。自分が若い頃は誰よりも早く出社して、事務所の掃除をして、所長が来たらお茶を出して、そういうことをしてきました。
今の子にそれをしてくれとは思いませんが、なぜそうする必要があったのか、そうすることで何が変わって何が重要なのか、それを理解しているか否かは大事です。これから先、そういう縦の社会で生きていくので。
- この仕事の魅力は?
- 自分は毎日スーツを着て仕事するというよりも、体を動かして仕事がしたいと思いこの業界に入りました。ちゃんと仕事が出来れば自由がありますし、いい仕事だと思います。大変ではありますが、与えられた現場を決められた時間とルールの中でしっかりと終わらせられればいいので。
- 監督という仕事は独立意識が高いですか?
- 与えられた現場を工期通りに進め、みんなが働きやすい環境を作るのが自分の仕事です。求められたものをしっかりやれば良いのです。毎日5時に帰ろうが、週休2日にしようが、それは個人の力量差だと思います。
- 今の自分に点数をつけるとしたら?
- まだまだできることがあると思います。自分の立場になると、現場の所長としてやれることや、会社の課長としてやれることなど、いろいろあります。点数をつけるとしたら、厳しく言って70点くらいです。
会社が現場をとってきて我々が仕事をしています。もらった現場をお客さんが喜ぶ形でお渡しできれば次の現場にも繋がっていきますし、今までそうやって来ましたが、自分が仕事をとれるようになると言いますか、もっと違う形でなにかできないかなとは思います。
- 会社の自慢は?
- 若いという表現が正しいのかわかりませんが、社長も若いですし、考え方が若いです。柔軟な考えを持っていますし、話しやすい環境もあります。なんでも話せる環境なので仕事がしやすい会社だと思います。一人で困っていたら、誰かが気付いてくれます。そういった面では風通しがいいですし、部長や上司が目をかけてくれます。
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